会社が最も恐れることの一つに、労働災害があります。
労働災害の中には業務災害と通勤災害があって業務災害が多発する会社、工場だと色々とペナルティを受けるからです。
会社としては労災保険料が上がったり、労働基準監督署から目をつけられたりと良いことがないのです。
別に従業員だって労働災害を起こしたくて起こしてるわけではないんですけどね。
労働災害の基準って難しい。仕事で負った怪我は全て労働災害認定?
皆さんはどの程度の怪我から労働災害に認定されると思いますか?
法律では、業務上で起きた怪我は全て労働災害となります。
仕事で怪我をして病院に行ったのであれば労働災害として労災保険が適用されるのです。
しかし、会社としては労災認定してほしくないため、できるだけ従業員を病院に行かせないようにする会社があります。
これがよく言う労災隠しというやつです。
従業員を病院に行かせず、なんとか会社の中で怪我の処置をして穏便に収めようとする行為・・・許せませんね。
身体の一部が機械に巻き込まれて切断、多量の出血等、目に見えて大怪我だと分かる場合にはさすがにどこの会社も
「すぐに病院へ連れていけ!」
と指示するはずです。
明らかに大けがをしているのに病院へ連れて行こうとしない会社は確実にブラックです。
もしあなたの会社でそのような事例があるのであればすぐに転職しましょう。
全く従業員にことを考えていない会社なのは確実ですからね。
労災が発覚するのをおそれて病院へ行かせたくないケースとして軽く見える怪我があります。
設備で頭や背中を打ったり、突き指したりと、特に出血を伴わない打撲等は、
「放っておけば治るだろ。」
と思われて病院に行かせないケースが多いです。
本当に大したことがない怪我であれば良いのですが、実は骨折していたり、そこそこ大きな怪我を負っている場合もあるのです。
指の骨等は骨折して放置していると変な風に骨がくっついてしまい、完治した後もうまく動かせなくなる場合があります。
ここで難しいのは本当に大したことない怪我の時はどうすべきか?というところです。
転んで痛いけど、青あざで済んだとか、頭打ったけどたんこぶが出来ただけとか。
この程度で済んでいるのであれば病院に行って治療する意味もあまりないので、労災にしなくても良いかと思われます。
ちょっとして切り傷やすり傷でわざわざ病院に行く人なんていませんもんね。
これは決して、労災隠しを推奨しているわけではありません。
労災認定となると、怪我をした従業員にも少なからずデメリットがあるのです。
皆さんがもし工場等の怪我が起こりうる場所で働かれているのであれば、必ず目標として「ゼロ災害●●●日継続」という目標を掲げているはずです。
<ゼロ災害>
労働災害が起こらなかった日数のこと。労災が起こってしまうと、ゼロ災の日数カウントがゼロに戻る
ゼロ災害の継続日数が工場勤務従業員の評価に繋がる場合もあるのです。
ゼロ災日数が1,000日続いている時に自分が労災を起こしたと考えたらどうですか?
3年間みんなで頑張ってゼロ災を続けてきたのがまた一からになるのです。
労働災害は起こそうと思って起きているものではないとはいえ、自分のせいで3年間の努力が無になるのはあまりにもプレッシャーが大きいですよね?
そして、会社から労災を起こした従業員に対して原因を追究が行われ、どうすれば労災を防げるかをみんなで考えなければなりません。
- どこでなにをしようとしていたのか?
- なぜ不安全な行動に繋がったのか?
- 会社のルールはキチンと守った上での行動だったのか?
- ルールを守れていなかったのであれば、なぜ守らなかったのか?
- 今後どうすれば同様の労災が起きなくなるか?
- 労災を防ぐためのルールを導入すべきか
- 労災を防ぐための設備を導入すべきか
工場長を筆頭に偉い管理職や労災を起こした従業員が集まって、上記のようなことを検討していくのです。
若手の従業員だと、自分のせいで大ごとになって、本当に申し訳ないです!としばらく立ち直れない人もいましたね。
会社と従業員双方にデメリットしかない労働災害なので、労災とするかどうかの見極めは非常に重要です。
私の工場では外傷が明らかに酷いものはすぐに病院へ連れていきました。
身体を打った等、外傷がないものは、ちょっと触ると激痛が走る場合にはすぐに病院へ連れて行きましたが、そこまで痛みが酷くない時には1~2日様子を見て、痛みが引かない時に病院へ連れていっていました。
怪我をした後、従業員の怪我の経過を気にしなかったり、労働災害防止策を考えない会社は労働環境を良くしようという意志がないことは明白です。
あなたの会社は如何でしょうか?
労働災害の基準って難しい。精神的な疾患の原因は仕事?プライベート?
労働災害と認定されるものの中には怪我ではなく、精神的な疾患もあります。
良くあるのは「うつ病」「適応障害」ですよね。
もっと重大なものになると「過労死」や「過労自殺」も労働災害になり得るものです。
会社で怪我をした!という明確な原因が特定できずに発症した精神的な疾患は労働災害かどうかを判断するのがより一層難しくなります。
だって、「うつ病」「適応障害」になる原因としては仕事以外でもプライベートで何かが起きた可能性もあるのですから。
家族、親族のとうまくいっていなかったり、彼氏、彼女にフラれたり。
精神疾患にかかった本人でも原因が何かが良く分かっていない場合にはなかなか労働災害として認定されない場合が多いです。
精神的な疾患が労災認定されるには、具体的な事象が特定できることが重要になります。
毎日のように怒鳴り散らしてくるパワハラ上司がいたり、身体を触ってこようとするセクハラ野郎がいたり。
さらに、その証拠となる映像や音声等があれば労災認定はほぼ確実となります。
大きな会社だとパワハラ、セクハラする従業員がいると放置せずに何らかの対処を行います。
うつや適応障害まで追い込まれる程の事象が起こっている場合、会社が問題を把握できていないのでしょう。
もしあなたが周囲からの嫌がらせ等を受けて精神的疾患になってしまっていることが明らかなのであれば、会社に証拠を突き付けてやりましょう!
普通の会社であれば対応してくれるはずです。
ただ、その嫌がらせをしてくるのが会社の社長だったり、専務だったり、重役になってくると話は別です。
重役になればなるほどその人を注意できる、是正できる人が会社にいないのですから、おそらくその嫌がらせはなくなりません。
その場合は、精神疾患の治療を行っている担当医や労働基準監督署へ証拠を提出し、労災認定してもらった後、会社を辞めるべきでしょうね。
まとめ:結局労働災害が起きて得する人はいない
何度も書きますが、労働災害が起きて得をする人なんていません。
会社、従業員共にデメリットしかないのです。
だから会社は必至になって労働災害を撲滅しようとして色々な未然防止策を考えています。
従業員が怪我をしたら、次から絶対に同じような怪我をさせないように考えますし、場合によっては高いお金を投資して、安全カバーの設置等、機械設備の改造を行ったりもします。
また、うつ病や適応障害にかかる従業員が多い事業所だと、従業員個々人にもセクハラ、パワハラが起きないように徹底した教育を行い、時には配置転換を実施して同様のことが起こらないよう未然に防ぎます。
あなたが勤めている会社も色々な策を考えていると思うのですが、稀に労働災害が起きても、対策なんてしていませんよーという会社さんがあります。
断言します。一切労災に対して対策を講じない会社はブラックです!
このような会社は従業員のモチベーションを上げることなど考えておらず、給料は上がっていかないです。
結果、従業員一人一人の生産性も上がらず、本業も儲からず、事業拡大の可能性がない会社になってしまうはずです。
あなたの会社はどうでしょうか?
もし私の会社はブラックかも・・・と感じる場合には転職をお薦めします。
だって、労働災害が当たり前の会社なんてずっと働きたくないですよね・・・
もし転職をお考えであれば、業界最大手のリクルートエージェントさんはどうでしょう?転職のプロがアドバイスしてくれるので、きっとあなたに合った職場が見つかるはずです。
ちなみに、私が採用担当を務めていた時に酷い担当ばかり転職エージェントもあったのですが、リクルートエージェントさんは接しやすい優秀な担当さんばかりだったのでご安心を!