会社に何も言わずに退職をしようとして急に出勤してこなくなる人がまれにいます。
私が工場で人事をしていた時にも結構いました。
今回は急に出勤しなくなった場合は会社はどんな対応をするのか、どれくらい会社が困るのかについて書いていきたいと思います。
会社に何も言わずに出社拒否をした場合はどうなるのか
私が工場で人事として勤務していた時、ある朝出社してこない従業員がいました。
同僚や上司にも連絡がきていません。
単なる寝坊等による遅刻であれば一安心なのですが、こちらから本人に連絡をとっても電話に出ず、昼過ぎても連絡がない場合はさすがに心配になります。
出勤途中で事件事故に巻き込まれている可能性もあります。
ということで、昼過ぎまで連絡がない場合には、一度同居されている家族に連絡をとる会社が多いでしょう。
家に引きこもっている場合
家族が電話に出て従業員が家にいることが分かればひとまずは安心です。無事が分かったのですから。
そこでご家族からよく言われる言葉が、「本人が出社したくないと言っている」です。
この場合はご家族に本人を説得してなんとか会社に来てもらうか、会社にどうしても来ない時はこちらから出向くこともあります。
なんとかして本人と会い、なぜ出社拒否しているのかを話してもらった上で、会社側として改善できることであれば改善していく・・・のですが、出社拒否する理由って、ほとんどが人間関係のこじれなんですよね。
厳しい上司がいる。怖い先輩がいる。同僚と上手くやっていけない等々。
簡単に部署異動ができれば良いのですが、企業によっては簡単に異動できないところもあるでしょう。
異動が難しいと、出社拒否している本人からすると、もう同じ職場で働きたくないのですから即時退職手続きをすることとなります。
本人と直接退職手続きが出来ないのであれば家族を仲介して行うこととなります。
家にいない場合
私の経験上、出社していない従業員が家にも居ないケースもありましたね。
ご家族に連絡をとっても、いつも通り本人は出社したとのこと。
これは一大事!事件・事故に巻き込まれている!と思って必死に会社から従業員の自宅までを探すこととなります。
ただ、探せど探せど見つからない。
そこで、周りの同僚に話を聞いてみると、どうも最近、上司と揉めてしまったらしく、そのことで出社しづらくなっているのではないか?という意見もちらほら。
ご両親にも会社に来てもらって、どのように対応するかを相談しました。
ご両親が言うには、
と仰っており、連絡が来るまで少し待ちたいとのことだったのでまずは本人の連絡を待つことにしました。
一日に何回かは本人の携帯に電話をかけつつ、待つこと2日、ようやく進展がありました。
親戚の方から連絡があり、近くまで来ているから住み込みで働かせてほしいと電話があったそうです。
本人の無事が確認できただけで一安心でしたね。どれだけ心配したことか・・
おそらく、あと1日連絡が来なければご両親も捜索願を出されていたと思います。
ということで、本人も会社を続ける意志がないことが分かったのでそこからはご両親と退職手続きを進めていきました。
会うたびにご両親から申し訳ない申し訳ないといわれ、こちらも本当に暗い気持ちになりながら退職手続きしたのを覚えています。
従業員が急に来なくなった時の会社への損害は?
従業員が無断欠勤を続けた時に一番苦労しているのは採用担当の私ではありませんでした。
上司や同僚です。
特に工場現場の従業員が急にいなくなったりすると、人数が足りなくて機械を動かせない!という問題も発生します。
一日中機械を動かせずに製品を作れないとなると大損害です。
私がいた工場では一日に数百万円くらいですかね。
工場が稼働できないと会社として一大事なので、休みの予定だった人を搔き集めて何とか稼働させます。
しかし、代わりの従業員が入るまで死ぬほど忙しい日が続くのです。残された側はめちゃくちゃしんどいですよね。
工場はもちろん夜勤もありますので、どうしても人が足りない時には昼に勤務していた人がそのまま夜も勤務、つまり2直ぶっ通しで勤務することもありました。
これがブラック企業になっていく原因の一つです。
会社としてではなく、工場がブラックと言われてしまう原因はこういう所にあるのではないかと思われます。
事務職の従業員が出社拒否したのであれば、大抵は少し仕事が遅れて関係部署に怒られるだけで済みます。
しかし工場現場は毎日商品を製造しなければならないので製造できませんでしたーでは済まされないんですよね。
得意先へ商品の納期が間に合わなかったら取引を打ち切られる可能性もありますから。
従って、出社拒否する従業員にも相当なリスクが出てきます。
一番のリスクは損害賠償を請求される可能性があることではないでしょうか。
急に無断欠勤をし始めた社員に対して会社側も甘くはありません。
一日工場を稼働できなかった分全額3千万払え!という無茶な請求まではしないかもしれませんが、一部分は損害賠償請求があるかもしれません。
日本の法律は基本的に労働者の保護に厚いため、実際に請求額全額を払うことはほとんどありませんが、それでも、一度裁判にでもなれば、賠償金額を払う払わない以前に、大変な労力を費やすことになります。
相手は会社です。大きな会社になればなるほどしつこいですよ~。
私の会社も法務部という部署があって、専門家の方々が常に対策を練っているので分が悪い裁判でも非常に長引きます。
まとめ
会社をいきなり無断欠勤して、退職をしようとするとこのようにかなり大変な目に合う可能性があります。
家族が対応してくれるかもしれませんが、あなたのご家族に迷惑がかかることに変わりありません。
退職をするのであれば、最悪会社に行かなくてもよいので、電話でもメールでも意思表示をするべきでしょう。
出来れば、上司に辞めたいことを伝えて、引継ぎも済ませてから辞めるのが周囲の人に迷惑もかからないので一番良いです。
しかし、中には会社が辞めさせてくれないので仕方なく退職するために会社に出勤しなかったという人もいるのではないでしょうか?
退職する権利は従業員にはもちろんあるため、退職を受理せずに無理やり働かせている会社側が悪いです。
その場合には退職を強行するのも有りです。
ただし、退職手続きはキチン終わらせた方が良いので、最悪退職手続きを代行してくれるサービスを利用することをお薦めします。
費用はかかりますが、あなたが会社に連絡をとることなく、家族にも迷惑がかからずに退職手続きを終わらせることが出来ます。
ただ、どうしても会社を辞められない時の最後の手段として利用するようにしましょう。
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