工場現場で働いていると、怪我をすることもあると思います。
病院に行かなければならない怪我をした場合には労働災害として認定され、労災保険から治療費が支払われることとなります。
しかし、労災認定してしまうと、会社にとって不都合が生じます。
労災保険料が上がったり、労働基準監督署から目を付けられて、色々な安全に関する是正勧告を受けたりするのです。
それが嫌な会社は、労災隠しという法違反を犯します。
労災隠しをする会社は完全なるブラック企業でしょう。
今回は工場勤務ではどのような労災が起こり得るのか、どのような工場で労災が起こりやすいかをご説明したいと思います。
目次
工場勤務で起こり得る労働災害
どこの工場勤務でも最も発生する確率が高い労働災害は
「挟まれ・巻き込まれ」
災害でしょう。
機械設備に誤って身体の一部分を入れたことで、怪我をする労災のことです。
最も多い部位が手指の怪我です。
機械の調子が悪くなったり、定期的なメンテナンス等で、機械に触れることはあると思います。
その時に、「ちょっと触るだけだから」
と、甘い考えで、機械を止めずに手を入れた時等に最も発生しやすい事象です。
また、手を入れようと思っていなくても、機械に安全カバー等の安全対策がされていなければ、勢い余って手が入ってしまった、ということも起こり得ます。
挟まれ・巻き込まれ災害の次に多いのが「転倒」です。
これはトラブルが発生した時等、従業員が焦って何かに対処している時に良く起きます。
ちょっと足をすりむいたというくらいであれば問題ないですが、工場の床って結構硬かったり、突起がある場所も多いです。
下手な場所に手足をつくと骨折はしますし、頭をぶつけると意識不明、下手をすると転倒しただけで命を落とすこともあります。
労働災害が発生しやすいブラックな工場の特徴
それでは、どのような工場で挟まれ、巻き込まれ等の労働災害が発生しやすいのでしょうか。
労働災害が発生しやすい工場は以下のような特徴があることが多いです。
- 一度労働災害が発生した場所に安全対策がされていない
- 労働安全に関する従業員教育制度が確立されていない
- 安全より利益優先の社風が根付いている
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
一度労働災害が発生した場所に安全対策がされていない
労働災害を未然を防ぐために大事なのは一度起きたことを繰り返さないことです。
労働災害の数が減少している工場の特徴は、一度発生した労働災害の原因を分析し、二度と起こらないように対策を講じています。
手指が機械に巻き込まれたのであれば、手が入る隙間がないように安全カバーを設置したり、設備の角に頭をぶつけたのであれば、クッションを被せて、ぶつけても痛くないようにする等の対策を行うことでどんどん労災件数が少なくなります。
また、設備の面だけでなく、従業員の危険な行動に対する禁止ルールの作成、遵守も労災防止の一つとなります。
例えば、修理の間、機械の稼働は必ず止めることを定めた場合、機械の修理中も安全性は確実に担保されます。
このような労災への対策を一切とらない企業こそ、労働災害件数が減らない、ブラックな会社です。
ハード面で安全対策を行うには少なからずお金がかかりますし、ソフト面のルール策定においても、機械が稼働できないことで会社の利益に影響を与えます。
その少しの投資、不利益をケチっている会社は労働災害は同じ労災が何回も発生し、必然的に発生率が多くなっていくのです。
労働安全に関する従業員教育制度が確立されていない
上記で従業員の行動に関するルール作成について少し触れましたが、この事が全従業員に周知され、さらに実施されないと何の意味もありません。
ルールは作りました!でも誰も知りません!
では全くの無意味です。
労働災害が起こったことで新たに定めたルールを浸透させる教育活動をしてこそ労働災害の防止に繋がります。
多い工場だと、毎日のように安全に関する教育をしています。
日々製品を製造するだけでなく、キチンと安全教育に時間を割いている工場でなければ、従業員も安全に対する意識が低くなり、労働災害につながってしまうのです。
安全より利益優先の社風が根付いている
大企業になればなるほど安全第一を掲げていると思いますが、会社の経営がギリギリのような中小企業はまだ安全よりも利益優先思考の会社は多くあります。
しかし、この考え方は非常に危ういです。
もちろん従業員としても、会社が儲かれば自分の給料も上がる可能性が高くなるので悪いことではないのですが、安全面で考えると、利益優先の考え方は悪い方向に働きます。
工場では少しでも早く、多くの製品を製造できる方が儲かります。
従って、トラブルがあればあるほど、製造に時間がかかればかかるほど水道光熱費や人件費がかかり会社の利益を圧迫するため、会社は嫌がります。
利益を捻出が第一優先になっている会社は、可能な限り効率良く製品を製造しようとするため、安全性を犠牲にしてしまうのです。
トラブルがあれば、
「急げ!走れ!すぐに対処しろ!」
と怒号を飛ばし、それがキッカケで焦ってしまい、転倒や機械への手指の巻き込まれに繋がるのです。
労働災害発生してしまった!誰の責任?
そもそも、労災が発生した時の責任は誰にあるのでしょうか?
責任は怪我をした本人にあると思いますか?
違います。ほとんどの場合、会社の責任なんです。
だって、怪我した本人だって怪我をしたくてしているわけではないですからね。
もし本人に責任があるとすれば、危険な行為だから会社は絶対ダメだと定めているルールを勝手に破った時のようなケースだと思います。
ただ、それでも会社のために危険な行為を犯したということであれば微妙なところです。
例えば以下の場合
機械にトラブルが起こって、どんどん製品が廃棄になってしまう。危険な行為になることは分っているものの、少しでも早く期間を復旧させるために会社が決めているルールを破って、機械の奥に手を触れてメンテナンスを行った。
この場合はトラブルを早く直さなければならない!という会社の風土が根底にある気がしますね。
担当者の心情はきっと
「危険だけど、早く機械を修理しないと上司に怒られる!」
だと思います。
このような社風があると、どうしても労働災害は無くなりません。
まず、会社が労働災害をなくそう!という方針を持たないと、絶対に労働災害はなくならないということです。
労働災害対策をしない会社は相当ブラックと言えますね。
まとめ:労働災害はブラックな工場では防げない
工場現場で働く場合、自分自身で労働災害を防ごうとしても限界があります。
そもそも現場内部が安全でない場合は、いくら従事者が気を付けても労災は次々発生します。
従業員ではなく、まず会社、工場自体が安全に対する意識を高めなければ何も始まらないのです。
もし、この記事を読んで、今あなたが勤めている作業場で全く安全対策がされていないのであれば、要注意です。
この先、あなたが何年も怪我をせずに仕事ができる可能性は非常に低いです。
その場合は、上司や工場長に対し、労働安全の提案をしていきましょう。
利益優先の会社になればなるほど、安全に関する事項の提案を受け入れてもらえないと思いますので、その場合には思い切って転職して方が良いです。
危険な場所で仕事をし続けて、大きな怪我をしてしまったら、同じ仕事を続けられないばかりか、障害も残ってしまい、スポーツ等の趣味、娯楽をすることすら難しくなるかもしれません。
あなたの大切な人生の楽しみを奪われる可能性がある場所で働き続けますか?
それとも、安全に対する意識の高い会社に転職して、安全な場所で働きながら健康な身体で趣味も楽しみながら仕事を続けますか?
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労働災害はあなたの人生に関わることなので、会社の対応が悪いのであれば、このまま仕事を続けるかどうか本当に真剣に考えて欲しいです。