発達障害とは先天的な脳機能の障がいです。
「不注意」や「こだわりの強さ」だったり行動的な特性が生じます。
この特性が仕事をする時に支障が出てきて、働きづらさを感じたり、場合によっては生きづらさを感じる時もあるのです。
しかも、この発達障害はなかなか分かりづらいことも特徴の一つです。
例えば、以下のように社会人になってから発達障害と分かるケースも多いのです
<発達障害と診断されたAさん>
大学まで問題なく卒業して就職も決まり、仕事を始めて作業を覚えることはできたけれど就職後に周囲の人たちと仕事上での調整がうまくいかない。結果、怒らせてしまってトラブルが多発した。
職場にいづらくなって転職したけど仲間と協力する業務がうなくいかずにその会社も数か月で退職してしまった。
その後アルバイト等も経験したが、イマイチ人間関係がうまくいかなかったり、お客さんを怒らせることもあって長続きしなかった。
結局、心身の調子を崩してしまい医者にかかったが、その際に発達障害の可能性を指摘された。
専門医を紹介されて受診したところ、発達障害の一つである「ASD」と診断された。
このように、学生時代は問題なく過ごしてきたものの、就職して仕事をすると非常に働きづらさを感じはじめて、医者の診断を受けると発達障害だと診断されるケースは多いです。
では、このように発達障害と診断された人は働くことは難しいのでしょうか?
いいえ、そんなことは全くありません!
就職活動、転職活動の方法を間違えずに、自分自身に合った適職を見つけることができれば働きづらさを感じることはないはずです。
そのために非常に役立つのが就労支援サービスです。
それでは、具体的にどのように仕事探しをすればよいのかをご説明していきます。
目次
自分が発達障害を持っているということを受け入れる
長年生活してきて、いきなり発達障害だと診断されたと時にはとても衝撃を受けるはずです。
私の知人も発達障害だと診断された方がいるのですが、発覚した時にはなかなか受け入れることが出来ずに相当落ち込んだようです。
しかし、発達障害ということを受け入れられずに、普通に就職、転職をしてしまうと、働きづらさはずっと続くこととなってしまい、次第に精神まで患ってしまう可能性があります。
発達障害だと診断されたら、まずは家族や親友にも隠さず話し、そのことを受け入れて生活していくのが一番です。
隠し事をしていると気分が落ち込みますが、その隠し事が無くなった時って、なんだかすがすがしい気分になりますよね。
会社にも発達障害があることを理解してもらう
既に仕事をしていて、発達障害だと分かった場合には会社にも言っておいた方が確実に働きやすくなります。
その際、どのような特徴の発達障害を持っているかもキチンと説明しておくことが大切です。
発達障害をお持ちの人であれば既にご存知かもしれませんが、発達障害はいくつかのタイプに分かれます。
<発達障害のタイプと特徴>
- ASD(自閉症スペクトラム症)
こだわりが強かったり、対人関係が苦手という特徴を持っている。 - ADHD(注意欠如・多動症)
不注意や多動性、衝動性という特徴がある。大人の場合には不注意が目立つことが多い。 - SLD(限局性学習症)
計算が苦手だったり、読み書きが苦手なことが特徴。
これらのタイプに分かれますが、人によっては複数のタイプが重複していることもあります。
自分がどのタイプに属しているか明確に分かっていて、今の仕事を続けていきたい場合には、上司や同僚にも発達障害があるということを打ち明けた方が格段に働きやすくなります。
やはり周囲からの支援があるのとないのでは全く働きやすさは異なってきます。
今の職場で打ち明けることが嫌だという場合には無理せずに退職をした方が良いかもしれません。
無理して仕事を続けて精神的に病んでしまうよりは転職して適職を見つけた方が絶対に幸せになれます。
どのような就職/転職活動を行えば良いのか?
では、もし現職では発達障害を持っていると働きづらくて精神的にもつらいから転職したいという場合にはどのように仕事探しをすれば良いのでしょうか?
もちろん自分で転職サイト利用して求人を見てみるのも良いのですが、それよりも就労支援のプロに相談するのが良いでしょう。
1人で悩まずに専門の就労支援サービスに相談するのが最も得策です。
発達障害の人向けの就労支援サービス行っている会社はたくさんあります。
しかも、世帯の収入額によっては完全無料となります。
※収入に応じて有料になる場合があり
在籍しているのははいずれも就労支援のプロなので、あなたの強みやスキルを見抜いてくれて、その特性を活かせる企業を探してくれたりもします。
就労支援とは具体的に何をするのか?
就労支援に申し込むと、以下のようなサポートを受けられます。
<一般的な就労支援の内容>
- 就職に向けてのスキル習得支援
- 就職活動のサポート
- 職場との調整サポート
- 就職後のアフターフォロー
なお、これらの支援は支援を受ける機関の事業所に通うことが一般的です。
就職するためのスキルを付け、自分の強みや特性を理解し、あなたに合った就業先を見つけていきます。
1人で就職/転職活動をするよりもスムーズにいき、内定が決まったあとも職場への就労定着支援まで受けることができます。
自分の特性を知ることが大事
就労支援を受けながらあなた自身の特性を理解し、色々な業種や職種についての知識を深めていくと特性にあった仕事が分かるようになってきます。
以下に発達障害の種類に応じた合う仕事を記載いたします。
<発達障害のタイプと合う仕事>
- ASD
「対人関係が苦手」ですが、「こだわりが強い」という強みがあります。このことから、専門性を活かせるような仕事が向いていると言えるでしょう。
⇒研究職、プログラマー、経理職、webデザイナー等 - ADHD
「不注意」という短所はあるものの「積極的」であるという強みもあります。その行動力を活かせる仕事であれば向いていると言えるでしょう。
⇒営業職、企画開発職等 - SLD
「読み書きや計算が苦手」であるものの、それらがあまりない仕事であれば何でもこなすことが可能です。
⇒接客、営業等
なお、これらはあくまで一般的な目安なので、全く異なる職種が適職となる人もたくさんいるでしょう。
就業後は職場にも協力してもらう
就労支援を受けながら転職活動をすることのメリットは企業側も発達障害の人であることを承知して雇用してくれることです。
その特性に合わせて働きやすい職場を準備してくれています。
もしあなたが発達障害であることを会社が知らないまま就職が決まってしまった場合は、あなたのために職場環境を準備してくれることはありません。
あなたの特性は変えられないものなのでミスマッチしてしまうとつらい毎日を送らなければならなくなります。
会社側はあなたの働き方や特性を変えようとしてくるかもしれませんが、それは最も難しい方法なのです。
自分自身の特性を変える事は難しいため、就業先の会社にも協力してもらってあなたが働ける環境を整えてもらうことが即戦力となれる一番の近道です。
まとめ
発達障害を持っているからといって、周囲の同僚に劣っているというわけではありません。
私の同僚にもASDの人がいましたが、凄まじい集中力を持っていました。
その集中力をフルに発揮できる仕事さえ見つかれば、逆に周りの社員よりも数倍早く仕事をこなせてしまうかもしれません。
理想の仕事、理想の職場を見つけるためいには1人で就職、転職活動を進めるよりも就労支援サービスを活用した方が間違いなくミスマッチが少なくなります。
気になる就労支援サービスがあればまずは見学だけしてみて、それから活用するかどうかを判断してみるのが良いと思います。
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