令和元年初となる最低賃金改定が行われます。
下がることはなく、全国的に賃金がアップするのです。
労働者としては嬉しいですが、企業などの雇用者側としては人件費単価がここ数年どんどん上昇傾向なので、事業活動がより一層苦しくなるのではないでしょうか。
しかし、法律は守らなければなりません。
あなたの働いている会社はキチンと最低賃金を守れているでしょうか?
最低賃金は会社の経営者も労働者も確認しておかなれければならない重要なことのはずですね。
2019年10月最低賃金改正後の金額
最低賃金の改定は2019年10月から順次各都道府県で改定されます。
その一覧表は以下の通りです。
出展:厚生労働省HP
「発効年月日」を見ると、10月1日から順次改定が行われ、10月6日までには完了するようです。
全国平均すると時給で27円アップします。
これにより、全国の中でも賃金単価が高い東京都と神奈川県はついに時給1,000円を突破します!
私が学生時代には東京都内でも時給850円で当たり前のようにバイトをしていたため、今の学生達がとても羨ましいです!
最低賃金ってそもそも何?
という人もいると思いますし、最低賃金と一言で言っても、色々な決まりがるため、詳細についてご説明していきます。
最低賃金とは
最低賃金法という法律に基づいて国が定めた最低限度の賃金です。
これを破ると法律違反となるため、労働者を雇う場合には必ず遵守し、最低賃金以上の給料を支払わなければなりません。
法律の改定に気づかず、最低賃金以下の金額で給料を払い続けていた企業が罰則を受けてしまったというのは良く聞く話です。
企業としては罰金よりも社会的信用を失う方が影響が大きいでしょう。
労働者だと自分の給料に関わる話なので、自分の地域、職業の最低賃金を把握しておいた方が良いですね。知らないと損をしている可能性がありますからね。
ちなみに、最低賃金と簡単に言っても、実は以下の通り2種類に分けられます。
- 地域別最低賃金
- 特定最低賃金
それぞれについて簡単に説明していきます。
地域別最低賃金
地域別に定められる賃金の最低金額のことです。都道府県毎に金額は異なります。
最初に掲載した改正前後の最低賃金一覧はこの「地域別最低賃金」に該当します。
つまり、2019年10月からの改定はこの「地域別最低賃金」が対象になっているということです。
今回の改正で最低賃金が高い都道府県は時給1,000円を超えましたが、低いところはまだ700円代後半の地域もあります。
地域によって物価なども異なるため仕方ないとはいえ、結構差が大きいと感じてしまいますね。
特定最低賃金
特定の産業について設定されている最低賃金のことです。
各都道府県の中でも特定の産業に従事している人を対象により高い賃金が定めている場合があります。
例えば、北海道だと地域別最低賃金は2019年10月時点では時給835円なのですが、乳製品の製造業に従事していると、最低賃金が871円となります。
出展:厚生労働省HP
各都道府県によって対象となる産業が異なり、最低賃金も異なるため良くチェックしましょう。
ちなみに、一般的には地域別最低賃金よりも特定最低賃金の方が高いのですが地域別最低賃金は最近どんどん上昇しているため逆転現象が起こっている産業もあります。
その場合は高い方の最低賃金が採用されるということも覚えておきましょう。
最低賃金の適用される労働者の範囲は?
原則、日本全国で働く全ての労働者に適用されます。
しかし、一般の労働者より著しく労働能力が低い場合には、雇用者が都道府県労働局長に許可を受ければ減額の特例が認められるものもあります。
これは差別ではなく、雇用機会を狭めることがあるかもしれないということから例外的に定められたものです。
<許可を得れば減額が認められる対象者>
- 精神または身体の障がいにより著しく労働能力が低い方
- 試用期間中の方
- 基礎的な技能等を内容とする認定訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
- 軽易な業務に従事する方
- 断続的労働に従事する方
これらに該当する場合、許可を受けることが出来れば雇用者側は労働者を最低賃金よりも低い給与で雇用することが出来るのです。
しかし、改めて確認すると、なんともフワッとした言い回しですね・・・
「軽易な業務に従事する方」
という規定なんて、企業側が軽易だと言い切れば、どんな仕事でも当てはまる気がします・・・
労働局もそう簡単には最低賃金を減額する許可は出さないと思いますが、「軽易な業務に従事する方」みたいな微妙な書き方をされると、
というブラックな企業が出てくる気がしますね。
もう「最低賃金」が金額で明確に決まっているので、このような法律の抜け道になり得る規定は除外しても良いのではないかと感じてしまいます。
最低賃金の対象となる賃金
最低賃金は毎月支払われる基本的な給与な賃金でなければなりません。
逆に言うと、最低賃金の中には残業代やら交通費やら、基本給以外は算入して計算したらダメです!
ということを言いたいわけです。
まとめ
最低賃金の詳細についてご説明してきましたが、あなたの会社ではキチンと守られているでしょうか?
最低賃金は度々改正されてどんどん上昇しているため、意外とこの最低賃金が守られていない企業もあるのです。
そこで頼りになるのが労働基準監督署です。
<労働基準監督署とは>
労働条件の確保/企業に対する改善指導や安全衛生の指導/労災保険の給付などを行っている。待遇が酷くて是正してくれない会社への文句は最寄の労働基準監督署へ相談すべし。
もちろん、労働基準監督署などの監査で最低賃金を下回っていることが発覚すれば、企業側も対応せざる負えないため、賃金は上がり、過去2年分は最低賃金に達していなかった分もらえることとなります。
しかし、なかなか労働基準監督署がそれに気づいてくれることはありません。
企業側も故意に隠そうとしているようなブラックなところもまだまだありますしね・・・
最も早く気づけるのは、最低賃金以下の給料しかもらえていない本人です!
もしあなたがこの記事を読んで最低賃金以下の給料しかもらえていない場合にはすぐに会社の上司や人事担当に言いましょう!
会社側が法律の改正に気づいていないだけであれば、報告してくれたことに感謝することはあれど、あなたの評価を下げたりすることは絶対にありません。
会社が法律に違反することを防いでくれたのですから、感謝感激されるに間違いないです。
最低賃金に達していないことを報告して、対応してくれないような企業はおそらく法違反していることを分かっていながら、その事実を隠して事業を運営している超ブラックな会社に違いありません。
そんな会社に勤めているのであればすぐに転職を考えましょう!
しかし、最低に達していない分の給与をもらわずに退職するのは悔しいですよね?
なので、法違反していることを近くにある「労働基準監督署」にチクって下さい。
労働基準監督署の担当者があなたの会社を調べに来るはずです。
そこで最低賃金に達していない従業員がいると分かれば、それ以降あなたを含めて全従業員の給料が改善されますし、過去に遡って本来支払ってもらえるべき未払分の給料も過去2年分は支払われるはずです。
あなただけではなく、周囲で働いている従業員のためにもなるため、臆せずに労働基準監督署へ相談しに行く勇気を持ってくださいね!
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