私は長らく工場の採用担当として働いており、数多くの悩み相談を受けてきました。
人間関係はもちろん、肉体労働がきつい、現場の環境が悪い(暑い、寒い、うるさい等々)等、皆さん色々な悩みを抱えていました。
工場というのはどうしても限られた空間での作業になるため、事務仕事みたいにちょっと息抜きにタバコを吸いにいったり、トイレに行ったりもできません。
人によってはそれがどうしても合わない場合があるんですよね…
もう我慢できない!退職したい!
と言われた時に「いやいや、ちょっと考え直してよ」と止めるのが私の役目でした。
引き止める側も、この人は今の仕事には合っていないな、と理解はしているのですか、工場はどうしても必要人員数に達していないとライン(商品をつくる機械のこと)を動かせないため止めざる得ないという状況なのです。
そこで、上司や先輩社員から止められてなかなか仕事を辞められないという方に、うまく退職できるようワンポイントアドバイスを。
あ、でも勘違いしないでくたさい!
決して退職を薦めているわけではありません。
工場の人は給料が低いとよく勘違いされる方もいますがそんなことはありません。
うちの会社ではラインの責任者になれば月給40万もらっていましたし、管理職になると年収1000万以上の人もいましたし、工場長なんかはそれはもう高収入でした…
なので、今の職場でキャリアアップしていける方はそれがベストです!
が、どうしても今の職場で我慢できない!という人向けのアドバイスになります。
私も辞めたい人に対して引き止める時はとても複雑な気持ちだったんですよ(T-T)
みたいなやり取りをしてましたね・・・
「しんどいから辞めたい」は言ってはだめ
皆さん退職相談にくる時、結構な確率で退職の理由を正直に打ち明けます。
あの人と合わないとか、力仕事が向いてないとか。そして次の転職先は辞めてから探すと…
しかし、そうするといつまでに退職しなければならない、という期日が決まっていないため、
「替わりの人が決まるまで待ってくれ!」
とか、次の人が入社しても、
「一人前になるまで待ってくれ!」
とか、なんだかんだ退職を先延ばしされてしまいます。
退職を打ち明ける時には「つらいから」「しんどいから」という期限が具体的に決めるならない理由ではなく、できるだけ
「待遇の良い転職先が決まって、できるだけ早く就業して欲しいといわれました」
等の期限が明確に設定できる理由で退職日の交渉を行えば早めに退職ができるのです。
診断書を持っていく
自分が病気じゃないから無理だ!と思ったみなさん。
実はそうでもないです。一度精神科に行ってみてください。
会社を辞めたいと思っている時の精神状態ってかなり不安定です。
精神科に行くには勇気がいります。
なので、お医者さんも受診に来た時点で、よほどの悩みがあると思っており、親身に話を聞いてくれます。
受診後に診断書を出してもらうとかなりの確率で「適応障害」や「うつ病」という病名で診断書を書いてくれます。
病気とあっては会社も放ってはおけません。
もし会社の責任で適応障害になったのであれば労働災害に認定され、会社としても困ってしまいます。
会社側も病気を治すために、まずは休ませねば!となることでしょう。
ここでポイントなのが、病気で休む場合には社会保険制度として、傷病手当金というものがあります。
これは、病気等で長期間休む場合に給料の3分の2が最大1年6ヶ月もらえる制度てす。(いろんな細かい条件もありますのでまた別記事で取り上げます)
この手当を満額もらってから退職するという方もいましたね。
傷病手当金の詳細記事はこちら
「怪我や病気で長期休業する場合も心配ない。生命保険に入っていなくても健康保険から傷病手当金が出る!」
卑怯だ!と思われる方もいるかもしれませんが、キャリアップ等の理由なく会社が嫌になって辞めるというところまで追い込まれている人は大袈裟ではなく、適応障害の可能性が高いです。
一度精神科を訪ねてみることをお薦めします。
ただ、誰にも悩みを話せずに追い込まれている人は、実は誰かに話すと気持ちが楽になったりもします。
私に相談に来た人の中にも悩みを打ち明けたら楽になり、仕事を続けることができた人もいます。
精神科はちょっと・・・という方は軽い気持ちでメンタルケアを受けに行かれてはどうでしょうか?
また、意外におすすめなのがマッサージです。マッサージ師さんと二人きりで会社とは関係ない相手なので、好き放題愚痴れます(笑)
転職先を決めてから退職したいことを話す
転職先が決まっていれば、まぁ会社側は断りづらいですよね。
ただ、明日から次の会社いくんで今日で辞めま~す、とかいう無茶を言ってはさすがにいけません。
今までお世話になっていた仲の良い同僚にも迷惑を掛けてしまうことでしょう。
退職日は会社に退職することを伝えてから2ヶ月先くらいが望ましいです。
法律上は2週間前までに申告という規定がありますから問題ありませんし、会社としても2ヶ月あればなんとか次の人員を確保しと引き継ぎまで行うことが可能かと思います。
転職先が決まっているのであれば意志が固いことがなおさら伝わりますよね。
会社の上司だって人間です。情もありますしね。
そんなものは私の上司にはいない!っていう方も中にはいそうですが(笑)
転職を考えている方はとりあえず転職サイトに登録料だけでもしてみては如何でしょうか?どんな会社が求人をしているのか、自分の会社の給料は他社にくらべてどうなのか、自分のスキルは他社でも通用しそうなのか。
いろんなことが分かります。
転職までいかなくても、転職サイトに登録してみるだけで、自信がつくことってあるんですよ!
退職代行サービスを利用する
これはどうしても会社が辞めさせてくれない時の最終手段です。
自分自分が退職の交渉をしなくても代行して退職の手続きをすべて代わりに進めてくれます。
あなたが会社の人と話をしなくても良くなります。
しかし、もし会社があなたの家に近くにあるのなら可能な限り自分で退職手続きを行うことをお薦めします。
いきなり出社しなくなると、少なからず同僚に迷惑がかかりますし、家の近くでバッタリ同僚と会ってしまうと気まずいですからね。
退職代行してもらうには数万円の費用もかかるため、利用するのは最終手段として考えましょう。
お薦めの退職代行サービスはこちら
まとめ
やはり退職する時には会社もあなたも納得して円満に辞めるのがベストです。
会社、特に人手が必要とされる工場現場ではあの手この手で引きとめてくることも多いでしょう。
しかし、無理やり仕事を続けてしまうと、身体を壊したり、精神的に病んでしまう可能性もあります。
退職するにはとてもパワーが必要になりますが、会社の言いなりにならず、あなたの意志を貫いて退職することでより良い職場を見つけましょう。